750万円のテスラが廃車、補償ゼロ──日本で今夏最も危険な「車内の時限爆弾」

モバイルバッテリー車内発火 引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ

旅行系ユーチューバーのおのだが750万円で購入したテスラ車両が、モバイルバッテリーの火災により廃車となったことをSNSで公表し、大きな波紋を呼んだ。幸い発火時に車内に人はおらず、人的被害はなかったが、車両は廃車となった。本格的な夏を前に、この事例は見過ごせない。

リチウムイオン電池搭載製品、5年間で1,860件の事故

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の統計によると、2020年から2024年までの5年間でリチウムイオン電池搭載製品による事故は1,860件に達し、そのうち1,587件、約85%が火災事故に発展しているという。製品別ではモバイルバッテリー関連の事故が最も多く、電動アシスト自転車や充電式掃除機、充電式電動工具などが続いた。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ

また、事故発生件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向があり、6月から8月の間に最も集中する。2026年5月18日には東京都品川区の東急池上線旗の台駅に停車中の電車内で、乗客の男子中学生のリュックの中のモバイルバッテリーが発火し、近くの女性乗客が腕に軽傷を負う事故も発生した。

車内は想像以上に高温になる

JAFが2023年8月に実施した車内温度テストでは、最高気温34度・最低気温25.3度の条件下で車内温度が48度まで上昇し、ダッシュボード表面は57.8度に達した。リチウムイオン電池は高温環境にさらされると内部で異常反応が起こり、発熱・膨張・発火につながる可能性がある。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ

おのだは「発火したモバイルバッテリーは使用開始から1年4か月の製品で、当時充電中ではなかった」と述べた。また「車両は電気自動車(テスラ)だったが、車両自体が発火の原因ではない」と強調した。さらに、車両補償に加入していない保険プランだったため、750万円で購入した車両に対して一切補償を受けられなかったとも付け加えた。

ユーザーの安全意識は低い現実

クロス・マーケティングが2025年に全国の20〜69歳男女を対象に実施したモバイルバッテリー調査によると、モバイルバッテリーを所有している人は全体の52.8%で半数以上を占め、外出時に持ち歩く人も35.8%に達したという。一方、発火・膨張関連のニュースを見ても「特に何も気にしていない」と回答した人が36.4%、「安全性については気になるが、特に使い方や製品を変えてはいない」と答えた人が23.1%に上り、安全意識の低さが浮き彫りになった。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ

発火事故は周囲の人や車両を巻き込む危険があるため、以下の点を確認しておきたい。高温環境に放置しないこと、強い衝撃や圧力を加えたり水に濡らしたりしないこと、充電中は状態をこまめに確認すること、異常な発熱や変形に気づいたら直ちに使用を中止すること——これらが特に重要なポイントだ。また、連絡先が確かなメーカーや販売店から購入し、購入後もリコール対象になっていないかを定期的に確認する習慣をつけることが大切だ。

スマートフォンが日常の必需品となった今、モバイルバッテリーを持ち歩く人も着実に増えている。猛暑が続く夏は車内温度が急激に上昇し発火リスクが高まるため、車内へのモバイルバッテリーの放置は必ず避けたい。おのだの事例が示すように、ほんの数分の油断が車両を失う結果につながることを肝に銘じておきたい。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

モバイルバージョンを終了