
【引用:イーハン】中国のeVTOL(電動垂直離着陸機)メーカー、イーハンが中距離型の新型機「VT35」を発表した。1回の充電で約200km、最長60分の飛行が可能で、都市間を結ぶ次世代エアモビリティの主役として注目を集めている。科学専門メディア『インタレスティング・エンジニアリング』によると、VT35の価格は650万元(約1億3,790万円)に設定されており、海上や山岳地帯など従来の航空機では難しかったルートにも対応できるという。

【引用:イーハン】VT35は先行モデルVT30の設計をもとに、自律飛行システムと電動推進技術を組み合わせて開発された。最高速度は時速214kmで、最大離陸重量は乗客2人と貨物を含めて950kg。8基のリフトプロペラと1基の推進プロペラを搭載し、安定性と静粛性を両立させた。全長8.26m、翼幅8.16mというコンパクトなサイズは、屋上や駐車場、既存のEH216-S用発着場にも対応する設計で、都市間航路の拡張を加速させると見られている。

【引用:イーハン】キャビンには高級仕様のシートや大型ディスプレイ、気候制御システム、機内エンターテインメントなどが備わり、短距離出張やビジネス移動における快適性を重視した設計となっている。専用の搭乗階段を必要としないドア構造を採用し、屋上から直接乗り込める設計も特徴だ。まるで“空飛ぶ高級EV”ともいえる仕上がりになっている。

【引用:イーハン】中国民用航空局(CAAC)は今年3月、VT35の型式認証申請を正式に受理し、現在は試験および耐空性の評価を進めている。量産化に向けたプロセスが本格的に動き始めたことで、イーハンの機体が商業運航に踏み出す日も遠くないとみられる。

【引用:イーハン】イーハンはVT35を活用し、長江デルタ、珠江デルタ、北京・天津・河北などの主要経済圏を結ぶ「1時間モビリティネットワーク」の構築を計画している。これにより、従来は自動車で2時間かかっていた都市間移動を30分以内に短縮できるとしており、中国の空が“通勤ルート”になる未来が現実味を帯びてきた。