
ロシアで子供向けの「高級電動ミニカー」が発売され、話題を集めている。価格は400万ルーブル(約750万円)に達し、一般的な中型車と同等の水準だ。
6日、米オンラインメディア「Oddity Central」の報道によると、ロシアの高級車専門ディーラー「Aleksey Mersedes」が特別な子供用電気自動車を発売した。この車両は、1950年代にメルセデス・ベンツが製造した伝説的スポーツカー「300SL」をおよそ半分のサイズに縮小したミニチュアモデルである。300SLは1954年のニューヨーク国際オートショーで初披露され、上に開く特徴的な「ガルウィングドア」と、世界初の燃料直噴技術で知られる。最高時速260kmを誇るこの車は「夢のスポーツカー」と称され、現在もクラシックカーオークションでは数百万ドルを超える価格で取引されている。状態の良い個体では約680万ドル(約10億円)以上の落札例もあり、その希少価値は今なお衰えていない。

400万ルーブルで販売されるこのミニEVは、単なる玩具ではない。1.5kWの電気モーターを搭載し、最高時速45kmで走行可能だ。最大積載量は120kgに達し、子供だけでなく大人も乗ることができる。外観はオリジナルの300SLを忠実に再現し、象徴的なガルウィングドアはもちろん、サイドのマフラーやメルセデスのエンブレムまで細部にわたり精密に再現されている。内装も高級仕様で、前後調整式のレザーシート、アルミ製メーターパネル、変速モードスイッチ、サブウーファー、照明機能など、実車さながらの装備を備えている。
製造元はこのモデルを「子供だけでなく大人のためのラグジュアリー玩具」と位置づけている。実際に大人が運転できる性能とサイズを持つのが特徴だ。Aleksey Mersedesは実車販売にとどまらず、こうした高級ミニチュア複製車を製作し、自動車マニアの間で独自の地位を築いてきた。今回のミニ300SLはロシア国内で数量限定販売されている。
この製品は単なる子供用のおもちゃを超え、「クラシックカーの現代的リプロダクション」として評価されている。伝説的名車のデザインと象徴性を、現代の技術で再構築したユニークな事例として注目を集めている。