
車のエンジンがかからないと焦るものだが、原因を一つずつ確認していくことで、意外と簡単に解決できるケースも少なくない。主な原因は、大きく三つの系統に分けられる。
1. 電気系統の問題
エンジンをかけた際に「カチカチ」という音だけがしたり、メーター類の明かりが弱い場合は、電気系統の問題が疑われる。
代表的な原因が「バッテリー上がり」だ。ドライブレコーダーの常時録画機能やライトの消し忘れ、冬季の低温などによってバッテリー電圧が低下している状態を指す。ヘッドライトが暗い、スマートキーの反応が鈍いといった症状がみられた場合は、ブースターケーブルを使って他の車と接続するか、ロードサービスを呼ぶとよい。
また、走行中にバッテリーを充電する役割を担うオルタネーターが寿命を迎えているケースもある。バッテリーを新品に交換してもすぐに上がってしまうようであれば、この故障が疑われる。このほか、バッテリー端子に白い粉(硫酸鉛)が付着して接触不良を起こすと、電気が正常に流れなくなる「端子の腐食」も原因の一つに挙げられる。
2. 始動装置および点火系統の問題
電装品は正常に作動しているにも関わらず、セルモーターが回らない、あるいはエンジンは回るものの点火しないというケースだ。
一つは「セルモーターの故障」で、エンジンをかけても何の音もしなかったり、力なく回ったりするような状態を指す。モーター内部のマグネットやブラシ部分が摩耗することで発生する。もう一つは「スパークプラグやイグニッションコイルの不具合」だ。ガソリン車やLPG車で主に発生し、シリンダー内で正常に火花が飛ばないことが原因となる。「キュルキュル」とセルモーターは力強く回るにも関わらず、エンジンが始動しない場合は、この不具合が疑われる。
3. 燃料系およびセンサーの問題
一つは「燃料ポンプの故障」で、燃料をエンジンまで送り込むポンプが作動しなくなる現象だ。エンジンをかける前にキーを「ON」の位置にした際、後部座席側から「ウィーン」という作動音が聞こえなければ、この故障が疑われる。もう一つは「クランク角センサーの不具合」だ。エンジンの回転位置を検知するセンサーが故障すると、コンピューターが燃料噴射のタイミングを判断できなくなり、エンジンが始動しなくなる。
エンジントラブルを防ぐための4つの予防策
(1)バッテリーインジケーターの確認
ボンネットを開け、バッテリー上部の点検窓が緑色になっているかを確認する(黒色は充電不足、白色は交換が必要なサイン)。
(2)定期的な電圧チェック
エンジン始動後の電圧が13.5V〜14.8Vの範囲を維持しているか、整備のたびに確認する習慣をつけたい。
(3)長期駐車時の注意
3日以上駐車する場合は、ドライブレコーダーを低電圧モードに設定するか、電源を切っておくことが望ましい。
(4)燃料フィルターの交換
燃料に混入した水分や異物が始動不良の原因となる場合があるため、推奨される交換周期(通常4〜6万km)に従って交換しておきたい。