
中国の自動運転ユニコーン企業、ポニーエーアイ(Pony.ai)が、自動車メーカー大手のトヨタ自動車と提携し、無人ロボタクシーの商業的大量生産に本格的に乗り出した。単なる技術実証段階を超え、実際の製造ラインで自動運転車両の生産を開始したことで、グローバルな自動運転の覇権争いに拍車がかかった格好だ。
10日(現地時間)、米ブルームバーグ通信などの海外メディアによると、ポニーエーアイはトヨタと中国・広州汽車集団(GAC)の合弁工場において、自動運転システムを搭載した電気自動車(EV)「bZ4X」の初の生産分が出荷されたと発表した。この日のニューヨーク株式市場で、ポニーエーアイの株価(ADR)は量産の知らせを受けて4.4%上昇して取引を終えている。
今回量産された「bZ4X」は、ポニーエーアイの最新の第7世代自動運転ソフトウェアとハードウェアキットが、製造工程の段階から内蔵されたモデルだ。同社はこのモデルだけで1,000台を生産し、北京や上海といった中国の主要都市に投入する予定であり、これにより2026年末までにロボタクシーの運営台数を3,000台以上に増やすという攻撃的な目標を掲げた。
特に今回のモデルは、ユーザー体験(UX)とコスト効率に焦点を当てている。Bluetoothベースの自動ロック解除や音声対話機能はもちろん、急ブレーキを抑制して乗客の乗り物酔いを最小限に抑える運転アルゴリズムまで搭載し、既存のタクシーサービスを代替する準備を整えた。
業界では、今回の量産について、ソフトウェア企業のポニーエーアイとハードウェアメーカーであるトヨタの理想的な結合モデルが軌道に乗ったとの評価が出ている。トヨタの検証された車両耐久性と大量生産能力(トヨタ生産方式・TPS)に、ポニーエーアイの運転知能を組み合わせることで、ロボタクシーの核心的な難題である「安全性」と「量産性」を同時に解決したためだ。
注目すべき点は、同社が公開した「遠隔制御比率」だ。現在、ポニーエーアイの技術力は、緊急事態に備えた遠隔支援要員1人が車両30台をモニタリングするレベル(1:30)に達している。過去には車両1台あたり1人の安全要員が必要で人件費負担が大きかったが、今では1人で30台を監視できるため、有人タクシーに比べて圧倒的なコスト効率を達成できるようになった。専門家は、この比率が高まるほど、ロボタクシーがウーバー(Uber)や滴滴出行(DiDi)などの既存の配車サービスよりも高い収益性を確保するとみている。
中国企業が自国を超えて欧州や中東へとロボタクシーの領土を拡大する中、ポニーエーアイとトヨタの「量産同盟」が、テスラの「サイバーキャブ」やウェイモ(Waymo)の独走を抑制する強力な対抗馬となるかに関心が集まっている。