
ルネサス・インフィニオンなど20社が参加半導体供給網の不確実性を排除へ
日本の自動車メーカーが地政学的リスクや自然災害による生産中断を防ぐため、半導体メーカーと連携して強力な「サプライチェーンデータ同盟」を結成する。
22日(現地時間)、「NikkeiAsia」などの報道によると、トヨタ自動車やホンダを含む日本の自動車業界は、4月の運用開始を目指して、車載半導体の製造地と仕様をリアルタイムで把握できる統合データベースを構築することで合意した。
ルネサス・インフィニオンなど参加、「半導体90%」の可視化を確保
今回の協力には、日本企業のルネサスエレクトロニクスやロームに加え、ドイツのインフィニオン・テクノロジーズなど、グローバルな主要半導体企業約20社が大規模に参加する。中国の半導体企業は参加対象から除外されたが、日本の自動車メーカーが使用する半導体の80〜90%を網羅する見込みだ。
チップメーカーは製品の詳細仕様、製造開始日、製造工場の具体的な位置データを登録する。これにより自動車メーカーは、特定の地域で災害や紛争が発生した際、どの部品が供給不足になるかを即座に判断できるようになる。
ブロックチェーン導入で情報漏洩のリスクを遮断
自動車産業はメーカーの下に多くの下請け業者が連なるピラミッド型構造であり、これまで完成車メーカーが原材料調達の全経路を把握することには限界があった。
今回のシステムはブロックチェーン技術を適用し、登録された情報が競合他社に漏洩したり改ざんされたりしないよう設計されている。各企業はセキュリティが保証された環境内で、自社に必要なデータのみを閲覧できる仕組みだ。
東京に本部を置く「自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター(ABTC)」が運営を担当し、日本自動車工業会(自工会)と日本自動車部品工業会がプロジェクトを主導している。
中国依存からの脱却と「経済安全保障」の強化
日本業界がこのように機敏に動く背景には、過去数年間に経験した深刻な生産遅延がある。2024年、中国系半導体サプライヤー「ネクスペリア(Nexperia)」の出荷中断により、ホンダや日産自動車が大規模な減産を余儀なくされた。特にホンダは、半導体の供給難により2026年3月期決算の営業利益が1,500億円減少すると推定されるほどの打撃を受けている。
自動運転とAIの搭載により、車両1台あたりの半導体所要量は急増している。2035年には、世界の車載半導体市場が2025年比で80%以上成長し、1,594億ドル(約24兆7,000億円)に達すると予測されており、安定したチップ供給網の確保は企業の生存に直結する課題だ。
日本の脱中国戦略と国際連携
今回のデータ同盟は、中国への依存度を低下させる広範な「脱中国サプライチェーン」戦略の一環である。中国によるレアアースや二重用途品目の輸出規制に対し、G7の連携を通じて対抗軸を構築しようとしている。
片山さつき財務相は1月11日、米ワシントンD.C.で開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議で、中国による価格圧力に対応するための「価格下限制度」や「共同備蓄制度」について議論した。
また、オーストラリアと日本は12億ドル(約1,860億円)規模の戦略備蓄で、中国による資源の武器化に対抗している。総合商社の双日とエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、豪ライナス・レアアースに共同投資し、2025年10月からマレーシアで精製された重レアアース製品の輸入を開始した。
2026年4月の本格稼働を目指す
トヨタ、ホンダ、ルネサス、インフィニオンなど約20社が参加するこの取り組みは、複雑なチップサプライチェーンの可視化を目的としている。ブロックチェーンベースのシステムで機密性を維持しながら、リアルタイムでリスクを特定する。
2026年4月の本格稼働により、地政学的リスクや自然災害に即座に対応可能な体制が整う。長期的には非中国産チップの比率を引き上げ、調達先を多様化することで経済安全保障を確立し、次世代車市場での主導権を維持する計画だ。
今回のシステムは日本メーカーだけでなく、海外メーカーにも開放される見通しで、今後のグローバル自動車産業における「標準サプライチェーン管理システム」として定着するかが注目される。