【引用:ステランティス】ステランティスが電気自動車用バッテリーの再利用に本格的に取り組み始めた。使用済みバッテリーを廃棄せず、従来の自動車以外の新たな移動手段へと転用するプロジェクトを推進している。
【引用:ステランティス】その象徴的な成果として注目されるのが、小型電気自動車「Avathor One」だ。この車両は、車椅子利用者や移動が困難な人々のために開発され、デザインはイタルデザインが担当。フォルクスワーゲングループとの協力によって誕生した。
【引用:ステランティス】ステランティス、イタルデザイン、そしてAvathorはいずれもイタリア・トリノに拠点を置く。トリノはステランティスの欧州本社とミラフィオーリ工場が位置する重要な拠点であり、今回の協業の舞台ともなった。
【引用:ステランティス】バッテリー再利用の流れは、まずステランティスが電気自動車からバッテリーを回収することから始まる。その後、循環経済を担当する「SUSTAINera」部門がトリノで性能を検証し、再利用の可能性を高める。
【引用:ステランティス】現地の協力会社インテント(Intent S.r.l.)が15kWhモジュールを分解し、新たな用途に向けた再パッケージ化を行う。これにより、寿命を迎えた車載バッテリーが再びエネルギー源として活用される道が開かれる。
【引用:ステランティス】Avathor Oneには、この再パッケージ済みモジュールが1.4kWhの短距離用、2.8kWhの長距離用バッテリーとして搭載される。最大走行距離は50km、最高速度は時速10kmに制限され、安全性と実用性を両立している。
【引用:ステランティス】コンパクトな全長1,486mmの車体には、LEDヘッドライト、バックカメラ、歩行者認識衝突防止センサーといった自動車並みの装備を搭載。さらに車椅子用のリアランプや引き出し式ベンチ、ジョイスティック操作機能も備え、最大20%の勾配や8cmの段差を克服できる設計となっている。
【引用:ステランティス】ステランティスはAvathor Oneをまずイタリア市場に投入。2026年にはスペイン、2027年には他の欧州市場へ展開する計画を明らかにしている。単なる実験車ではなく、実際に市販されるモビリティとして動き出している点が大きい。
【引用:ステランティス】さらにSUSTAINeraは、エネルエックスと提携し、ローマ・フィウミチーノ空港に再生可能エネルギーを蓄える蓄電システムを導入する計画を進めている。今後10年間で二酸化炭素排出量1万6,000トンの削減を目指すという。
【引用:ステランティス】自動車産業全体が電動化の波に飲み込まれる中で、ステランティスの取り組みは単にEVを販売するだけでなく、そのライフサイクル全体に責任を持つ姿勢を示すものだ。Avathor Oneはその象徴であり、今後の循環型モビリティの方向性を提示する存在として注目されている。